1つ、とんでもない思い違いをしていた。
会社は、ヒトではない、恐ろしい存在である。
会社は、個人ではできないことを集団で実現しようとする組織だ。
その組織は法律上ヒトと同じようにものを所有し、意思決定を下し、契約を結ぶことができる。
しかし会社には身体があるわけでもないし、血も通っていないし、感情を持ってもいない。
会社はヒトと同じような存在だが、ヒトではないのだ。
しかも、設立目的が「個人ではできないことを集団で実現」することであることからも明らかなように、会社にはどんな個人もかなわないように設計されている。
私が人事部に出かけていくと、応対してくださる方は毎回違うが、話はきちんと進んでいくのだ。
応対してくださる方にどんな個人的感情を抱こうとも、会社そのものに対して私が感情を抱くことはできない。
そういうようにできているのだ。
しかし、会社は確かに存在する。
私は会社と契約を結んで会社員になったし、会社の命令で業務に当たり、会社の命令で休職している。
そして、会社の命令で復職したり、会社の命令で解雇されたりするのだろう。
いわば、会社とは無臭のガスのように人間の五感では感じることすらできないが、確かにそこに存在する得体のしれない存在なのだ。
一度決定が下されれば、会社はそれに沿って何の感情も持たずに行動することができる。
もちろん、実際にそれを実行するのはヒトだから、そこには何がしかの感情が交じるだろう。
しかしそれを実行するヒトだって、会社という得体のしれない存在に命令されて仕方なしに行動している。
会社とはそんな個人の感情など平然と飲み込める、恐ろしい存在なのである。
会社を憎んで、ヒトを憎まず。
0 件のコメント:
コメントを投稿