対位法を学び始めた。
クラシック音楽の作曲法の中に、和声学と対位法という2つの手法がある。
厳密には違うのだが簡単に言うと、和声学は2つ以上のメロディを絡める場合の注意点をまとめたもので、対位法は各メロディが別のメロディの真似をしながら絡み合う、カノンやフーガなどの音楽における注意点をまとめたものだ。
ここでいうメロディとは現在主流であるホモフォニー、つまり1つのメロディがメインで他はそれを支えるだけのもの、ということではなく、すべてのメロディがメインメロディとなり得るポリフォニーの世界である。
500年くらい前の教会音楽などを思い浮かべればよいだろう。
私はポピュラーミュージックにおけるコード理論を学んだことがある。
コードは和音と呼ばれ、その瞬間の複数の音の響きについての理論がコード理論である。
しかし、ハーモニーは和声と呼ばれ、これは各メロディの次の音への進行に関する理論である。
対位法もハーモニーに注意を払うから、言わばコード理論を縦糸の理論と呼ぶなら、和声学や対位法は横糸の理論とでも言えるだろう。
経糸のコード理論をきちんと知っていれば、和声学も対位法もそれほど難しくはない。
注意したいのは、和声学や対位法にこだわると同じような曲しか書けなくなること。
実際、和声学や対位法に忠実な音楽はすでに出尽くしていると言っても過言では無いだろう。
現代の音楽では、和声学では禁じ手とされてきた手法を敢えて使用することで新しくカッコいいサウンドを生み出しているものが少なくないからだ。
理論はあくまで理論。
作曲で最後に重要になるのは、結局は直感である。
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