2009年5月7日木曜日

捕鯨問題特集。

Webページ「すなおなおと」に、捕鯨問題特集を掲載することにした。

理由は多々あるが、最大の理由は以下の点だ。

今回は、かなりストレートに自分の感情を表現することにする。

捕鯨賛成派は、捕鯨反対派と同じくらい感情的で、議論が成立しない。

どちらも科学を自分たちの都合のよいように利用している点でも同じだし、自分たちの主張をまわりへ広めようとしていることも同じだ。

そしてどちらも、相手がなぜ自分と異なる意見を持っているのか理解しようとしていない。

それでは相互理解など進むはずもない。

確かに、かつては捕鯨反対派の方がその傾向が強かっただろう。

しかし、今や捕鯨賛成派も同類だ。

捕鯨反対派の方々には、太地浦や和田浦など、捕鯨が地域文化に根差している場所を見に来ていただきたい。

捕鯨賛成派の方々には、反捕鯨運動がなぜ「クジラが救えずして、地球が救えるか」というシュプレヒコールを上げたのかを知ろうとしていただきたい。

それもせずに賛成だの反対だの言うのは、独りよがりの自己主張としか思えない。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

突然に失礼いたします。
捕鯨問題特集を拝読させていただきました。
自分の思考をまとめる上で大変に役立ちました。ありがとうございます。
不躾だとは思いましたが、ところどころ見解を異にする箇所があり
(どちらが正しいとかではなく)私はこう思う、ということを述べさせていただきたくなり書き込みさせていただきました。
発言をお許しいただければ幸いです。
ご不快にさせるようでしたらお手数ですが削除してください。
よろしくお願いします。

>> はじめに

> なぜ反捕鯨団体がクジラを神聖視しているのか。

神聖視している方もいると思うのですが
「クジラだけが特別」を理由に掲げ活動している組織はどれほどいるのでしょうか。

>> 現在の捕鯨、そして鯨に対する考え方
>>南氷洋捕鯨

>>1

> 現在の価格より安い価格を設定する理由が無い

現在は調査捕鯨ですから商業的に必ずしも効率的な操業はしていません。
調査の縛りが無くなれば今よりも価格を下げることも可能になるのではないでしょうか。
今よりも高くする理由がわかりません。
これ以上高くしたら、そもそも需要がさらに減って商売が成り立たないのではないでしょうか。


> 鯨肉が安く手に入った時代
に戻れないと、なぜ南氷洋捕鯨を禁じなければならないのでしょうか。
共同船舶なり新規参入会社なりの自己判断・自己責任でよいと思うのですが。
彼らがなんらかの工夫をして産業として成り立たせようと「挑戦」することを禁じる理由になりますか?

>>2

> 捕殺頭数を守れない可能性
があるから南氷洋捕鯨を禁じるという考え方は、
たとえば「産地偽装の可能性があるから全ての食料の販売を禁止する」と同じではないですか。
ルールを守らないのは犯罪です。南洋洋捕鯨の是非とは根本的に関係ないのではないでしょうか。
またIWC下で商業捕鯨が再開された場合は、IWCの監視下での操業となるはずです。

> 純粋な科学的調査なら(略)必要に応じて科学者が国際調査団
日本の調査は日本政府が実施していますがIWCの枠内での調査です。
IWCそのものが鯨類の保護と捕鯨産業の発展を目指して組織された国際会議です。
参加国すべてが、国際社会のルールに反さない範囲で、それぞれの国益の為に議論しているわけです。
日本は商業捕鯨再開の為に調査計画をし、IWCにその計画を提出した上で実施しているわけです。
純粋な科学調査でないのはおっしゃるとおりですが、それはなんら問題ないと感じます。
逆に「純粋な科学調査」ってなんでしょうか。
科学調査とは、あくまでその方法が「科学的」なだけで、「目的」はそれぞれなんらかの利益の為ではないでしょうか。

>>3

> 税金が勿体ない
日本には鯨料理を出すお店が実際に営業しています。
居酒屋だったり専門店だったり一品でも扱っている店を含めれば、それなりの数になるのではないでしょうか。
実益としては一部の人たちにしか還元されないかもしれませんが
それをもって「税金が勿体ない」としたら、過疎地の公共事業は否定されることになります。

水産庁や鯨類研究所の天下りや計画の甘さを非難されているのなら
そのことには反対しませんが、そのことと南氷洋捕鯨を禁じることは根本的に違う問題ではないでしょうか。
社会保険庁を批判するために年金制度の存在に反対するようなものではないでしょうか。
運営母体を改善し、計画の建て直しをするべきだというのならわかりますが
南氷洋捕鯨を禁ずる抜本的理由とはどうしても思えません。

>>4

フードマイレージやエコロジーの観点は大切ですが
税金云々で攻めておきながら調査捕鯨に対してそれを持ち出すのはフェアではない気がします。
たとえば二酸化炭素排出量を抑えるために船舶を改良するにもお金がかかります。
私は税金で出して構わないと思っていますが、そう思わない人もいます。
フードマイレージにしても商業捕鯨であればいくらか改善することができるのではないでしょうか。
たとえば調査でなければ船団すべてが毎回下関に戻る必要はないのではないでしょうか。

>>IWCと国際生態系調査

> 南氷洋へ行かないなら、IWCに加盟する理由がない

IWCはなにも南氷洋だけを管理しているわけではありません。
鯨は回遊生物です。沿岸捕鯨を再開するにもミンククジラなどはIWCが規制の対象にしています。
ちなみに日本による調査捕鯨も南氷洋だけで行われているわけではありません。

> その代わり、上でも少しだけ触れた、国際調査を実施

その時、その調査の「目的」はなんでしょうか。誰が費用をまかなうのですか?
我々の税金であるのなら、それがなんのためなのか説明されるべきではないでしょうか。


>>鯨肉食は日本の地域文化

というのは異存ありませんが、

> 江戸時代までは鯨肉は地産地消が基本

というのは流通技術の問題が大きかったからでしょうし
日本の食文化といわれているもののほとんどに同じことが言えないでしょうか。
鯨肉に関していえば、レアなものとしてですが
徳川将軍や天皇が食し、それが話題になったりしていたわけですよね。
実際にはおっしゃるように全国的な文化ではなかったと思いますが
そもそも全国的な文化といえるものってわずかしかないですよね。
米や味噌、酒なんかはそうかしれませんが。

>>科学はただの科学

> 「捕りたい」あるいは「捕る権利がある」という意識
を持つ人に対して「禁ずる権利」がだれにあるのか、ということを私は考えています。

>>そして卒業論文のテーマへ

> 本当にミンククジラを南氷洋まで捕殺しに行こうと思っているのは、日本に住む人々の多数意見なのでしょうか。

たとえば、それが1人だけだったとして、その1人に対して、どういう理由で禁ずることができるのでしょう。

ここで私の捕鯨に関する考え方を述べさせていただくのなら
クジラが絶滅しないという前提で、その資源を持続的に活用できるようなルールに則った捕鯨については
禁止する理由はない、というものです。
その上で産業として成り立つのか、実際に捕鯨をするのかは、それを試みる人たちが決めればよいと思います。

> 民意を離れた日本政府
とおっしゃいますが、私も官僚などの不正は糺すべきだと思います。
しかし捕鯨再開してほしいとは、私自身も思っています。私の思いは民意ではないのでしょうか。私は鯨料理が好きなただのサラリーマンです。
私が1人であれば無視されても仕方ありません。私のような者が千人いたら、どうでしょう。1万人いたら、どうでしょう。現在、私のような立場の方が何人いるかはわかりませんが、どうなのでしょう、僅かといっても調査費用の大半は鯨肉の売り上げでまかなっています。1万人くらいはいるような気がするのですけれどもね。これは憶測にすぎませんが。

卒業論文も楽しみにしております。

以上、長々と失礼いたしました。

林 直音 さんのコメント...

コメントありがとうございます。

捕鯨問題特集のページに、大切な一文が抜けていました。
お詫び申し上げます。

>> 現在の捕鯨、そして鯨に対する考え方
ここで述べているのは、文字通り「私見」です。
賛否両論があるのは当然のことと覚悟しております。

一方で私は、その私見とは別に、相手が捕鯨賛成派にせよ捕鯨反対派にせよ、その意見とそのような意見が形成された背景には真摯に耳を傾けたいと思っています。

残念ながら、今までにお会いした方々の中で、「自分の主張をする」と「相手の意見を聴く」を両立できている方はあまりいらっしゃいませんでした。
お互いにそのようになれれば、きっと相互理解ができると思います。

私の卒業論文の特徴は第三章と第四章に凝縮されていると思っています。
まずはそこから作業していく予定です。
恐れ入りますが、もうしばらくお待ちください。