2009年6月13日土曜日

やっぱり日本人だからうつになる?

親友と言っても良い後輩から相談を持ちかけられた。

社会人としてうつと付き合う私に、少し話を聞いてみたいとのことだった。

発症してから気づいたことだが、私の周りでも実に多くの方々がこの症状で苦しんでいる。

そして何より驚いたことは、その大半の人々が自分がその症状を抱えていることを隠していたことだ。

私が倒れたことを知って「実は自分もそうでした」と教えてくれた友達は一人二人では無かった。

私の場合、発症の瞬間が「救急車で運ばれた日」とかなり明確である上、その前後の状況から鑑みて原因を一つとまではいかないまでもある程度絞り込むことができる。

しかし一般には、そこまで原因が絞り込めないことが多い。

それもまた、症状を抱えている人々がそれを隠そうとする遠因かも知れない。

うつを抱える多くの方は、自分と他人を比較して苦しんでいる。

一見平然と生きている他人と、そうは生きていけない自分との違いに悩み、苦しんでいる。

私も発症初期はものの見事にそうだった。

同じ仕事量をかけられていながら、何故同僚は平気で、私は倒れてしまったのか。

冷静に考えれば、同じ仕事量だからと言って同じ負荷が掛かっているわけでもないし、その負荷に耐えられる限界がヒトによって違うのも当たり前だし、そして何より、その負荷を受け流したり発散したりする能力や条件もヒトによって違って当然なのだ。

しかし私の経験から言えば、そうやって冷静になって考える余裕も能力も時間も失い、視野狭窄に陥るのがうつに苦しむ患者の特徴である。

自分と他人を比較すること。

それを一概に悪いことだとは言わない。

自分が持っていない魅力を他人に感じて、それを成長の糧にできるなら。

しかし、比べたって仕方がないことだってある。

氏素性や生まれ育った環境などの過去。

現在の器量の広さや性格。

それは量的に計測できるものでは無いのだから、比較して悩む意味すらないだろう。

どうせ比較をするなら、未来の自分同士を比較したい。

今ある目標を達成した自分と、達成できなかった自分を比較してみたい。

それは、きっと自分の成長の糧にできる。

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